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訪問診療と在宅医


訪問診療とは 在宅医とかかりつけ医


在宅医療の要となる訪問診療は、医師が定期的に(月に2回以上)患者の自宅を訪問し、必要な医療サービスを提供するものです。


具合が悪く病院に行けない状況で医師が駆けつける「往診」も、その仕事の一端となりますが、訪問診療は「在宅医療計画書(訪問診療同意書)」に基づき、より計画的な診療が行われます。

診療の前に本人の意向と病状を聞くのみならず、家族との生活状況や介護の状態、経済的な問題など本人をとりまく様々な点を踏まえ、関係者や家族とも相談しながら柔軟に診療を行います。

事前に決めた日時に患者の自宅に出向いて診療を行いますが、具合の悪い時だけでなく状態の安定している時にも訪問して、患者の体調管理やアドバイス等も行います。


よく耳にする「かかりつけ医」は、厳密には「訪問診療医在宅医)」と同じではありません。

かかりつけ医は明確な定義のある用語ではなく、「普段から自分がお世話になっている(病院の)担当医師」の一般的な呼称です。ホームドクターとも呼ばれます。いくつかの病院でそれぞれの担当専門医にお世話になっている場合、かかりつけ医が何人もいることになります。


たとえば自宅近くの開業医に何年もお世話になっていて、自分の健康状態をよく把握してくれるだけでなく、頼めば自宅に往診にも来てくれる。このような開業医は、その患者にとっての「かかりつけ医」と呼んでよいでしょう。

ただしこの場合、かかりつけ医と呼ぶのはOKでも、訪問診療医(在宅医)でないことがあるわけです。


一方、「在宅療養支援診療所」あるいは「在宅療養支援病院」の届出を行った24時間365日訪問診療を行う体制を持つ医療機関に属する医師が、「訪問診療医(在宅医)」と呼ばれます。この場合は訪問診療医(在宅医)が、すなわちかかりつけ医ともなるわけです。


在宅医療の普及を妨げる、在宅医のなり手不足


訪問診療とは 在宅医とかかりつけ医 で述べた「在宅医のなり手不足」が起きている背景には、何があるのでしょうか。

全国の在宅療養支援診療所の届出数は平成19~22年で2千程度しか増えず、やや伸び悩みが続いています。都市部での整備が進む一方、地方ではあまり新設が進んでいないようです。

在宅療養支援診療所(在支診)とは その概要と動向


在宅医の立場からみた場合、担当する患者の数が増えるほど、いつともわからない様体の急変に備える可能性が高まることになりますので、個人病院での対応が現実的に難しいことは、容易に想像がつきます。

医療機関側は24時間365日いつ患者の様体が急変しても対応できるよう、医師や看護師をスタンバイさせておかなくてはならないわけで、彼らの体力が持たないのは無理からぬことです。


在宅療養支援診療所の制度がスタートした当初は、届出をしながら夜間は電話に出ない等、24時間365日対応というのが明らかに看板倒れのところも、少なからずあったようです。


厚生労働省の発表では、「在宅療養支援診療所の医師の70%以上が、24時間体制への負担を感じている」との調査結果もあります。

かりに数名の交替制で対応するチームをなんとか編成できても、将来経営が軌道にのる前に先行して発生する人件費や施設の維持費負担に耐えきれるかといった「経営の問題」もあります。


細かな話をすれば、交通の発達した都市圏はまだしも、医師が患者宅に駆けつけるための手段が車しかなく、しかも居宅があちこちに点在しているような地方においては、医師が患者の自宅にたどり着くだけでも、結構なエネルギーと費用負担を要します。

(患者の目線でいえば、医療機関は「自動車で30分以内で到着できる距離」にあるのが良いとされます。ちなみに診療報酬上は、直線距離で半径16キロ以内の訪問診療でなければ、原則として保険は不適用です。)

仕事の厳しさゆえ、残念ながら在宅医療を始めてわずか数年で撤退する医師もいるようです。


在宅医の探し方と、その注意点


自分の家族が暮らす地域で在宅医療を行なっている医師がいるのか、そしてその探し方について情報を求めている方は、少なくないでしょう。


まず現時点で本人が退院前か、あるいはすでに自宅で介護を行っている状態かでも、手始めとなるアクションに違いが出てきます。

現在入院中で、これから退院して在宅での医療ないし介護に移るという場合は、まず病院の「医療相談室」を訪ね、医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談してみましょう。

彼らは地域の在宅療養支援診療所等を把握していますので、最適と思われるところをいくつか紹介してくれるはずです。


また介護保険の利用が必要な場合はMSWが手配をしてくれたり、地域の担当ケアマネジャーを紹介してくれたりしますが、介護保険の要介護認定の申請には時間がかかることから、入院時にすでにケアマネジャーがついているケースも多いはずです。

地域の在宅介護に携わるケアマネジャーは医療機関の情報も持っていることが多いので、あわせて相談してみるとよいでしょう。


ただしケアマネジャーが所属する介護事業所の意向を受けていたり、医療分野への関心が薄かったりで、必ずしも患者本人にとって最適な情報をもたらしてくれるとも限りませんので、一つの情報源だけに寄りかかって決断することはおすすめしません。

必ず複数の情報源にあたり、入手可能ならば利用者の評判や口コミなども参考にしつつ、比較しながら決めていくようにしましょう。


また、地域を担当する「地域包括支援センター」に相談するのもよい方法です。在宅療養支援診療所や訪問看護ステーション等の情報が集まっています。

地域包括支援センター


市町村の医療相談窓口でももちろんOKですが、特定の医療者についてよく把握していなかったり、あるいは恣意的な情報提供を避けるため単にリストを渡す程度のところもありますので、じっくりと相談にのってもらうには、地域包括支援センターのほうが良いでしょう。


「総合診療医」とは~専門医制度と、懸念される問題点


総合診療医」という職種あるいは医師について、皆さんはどの程度ご存知でしょうか?

総合診療医は、いわば「医療の何でも屋さん」です。

幅広い領域を診ることが想定されるだけでなく、様々な診療科に関わる専門性をある程度持ち合わせることも求められています。


そして「総合診療医制度」は一般に、「総合診療(プライマリ・ケア)を専門分野として医師を育成するシステム」と説明されています。

全国でも都市圏を中心に、「総合診療科」あるいは「総合診療内科」「総合診療外来」等の看板を掲げる医療機関が、徐々に増えてきています。

認定施設のご案内(日本病院総合診療医学会)


総合診療医がクローズアップされる理由が「国が全国的な在宅医療システムの整備を急いでいる」ことにあるのは、容易におわかりでしょう。


現在の外来診療における「フリーアクセス(どこの医療機関であっても、保険証一枚を提示すれば受診できる制度)」は、患者にとってもメリットの多い制度です。

と同時に、たとえば二重受診による医療費の増加や薬の過剰処方など、国の医療保険財政にとっての非効率さも指摘されています。

イギリスのように「まず、かかりつけ医を通してから」といったゲートキーパー的役割を総合診療医に担ってもらうべく、これからの地域医療・在宅医療において、その育成が急務とされているわけです。

在宅医療の普及を妨げる、在宅医のなり手不足


日本ではこれまで、一律の明確な定義にもとづく「総合診療医制度」はありませんでした。 いまでも総合診療医の認定基準も学会ごとにバラバラで、専門とする領域にも重複が生じています。

それぞれの医療機関や医師が「総合診療科」「総合診療医」を標榜し、診療の範囲や治療内容にはかなりバラつきがあるのが現状です。


そこで患者側が医師を選ぶときのモノサシとなるよう、2015年度の医師国家試験合格者から「総合診療専門医(以下、総合診療医と略)」が新たに加えられ、これまでの専門医制度が改められることになりました。



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