在宅医療のメリット 本人の精神的安定と、家族のQOLの向上



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国が在宅医療を推進する理由は財政面からもわかりやすいところですが、患者本人やその家族にとっての在宅医療の利点(メリット)とは、何でしょうか。

まず最初に指摘すべきは、何と言っても「住み慣れたわが家でリラックスした状態で診療を受けられ、療養できること」でしょう。


入院や通院の場合、基本的に病院と医師の都合によって、すべてが決まってきます。診療報酬体系からの制約(いわゆる180日ルール、入院基本料の逓減制)を受け、現在は同じ病院に3ヶ月以上入院することが難しくなっています。

また患者の平均在院日数が短い病院の診療点数が優遇される仕組みのため、病院側があらかじめ入院できる期限を設定し、本人の意向を汲まずに退院を促すことも、ごく普通に見られる光景となっています。

今日ではよほどの重病や大きな手術でない限り、最大2週間程度で退院を迫られるケースが多いのではないでしょうか。

このように治療スケジュールから内容に至るまで病院側に主導権を握られている状況下では、患者にさまざまな精神的なストレスがかかってくることは否めません。


病状の急激な改善が臨めない病気、認知症などストレスと病状の関連性がよくわかっていない病気、あるいは末期がんなど緩和ケアが主体となってくるケースでは、本人が日々受けるストレスをできるだけ減らして、精神的な安定を保つようにすることが大事です。


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もちろん突然の脳梗塞や心筋梗塞などの突然の発症により、急性期から容態の安定期に入るまで集中的な入院治療が必要になってくる場合などは話が別です。この場合は高度な治療により、病状の回復が明らかに強く期待できるためです。

しかしがんの末期や老衰などの慢性疾患のように、一時的な延命は期待できたとしても、現状以上の大きな回復が見込めないケースもまた、少なくありません。


本人の意識が極めてはっきりしているにもかかわらず、患者として病院のベッドに横たわり、起きてから寝るまで家族や友人との会話もほとんどないまま病室の白い天井を見て過ごす日々はやはり苦しく、心が乾くものです。

本人のみならず患者を支える家族も、病院での面会時間の制約や周囲への気づかい、あるいはプライバシーを気にすることなく、自宅で日々気兼ねのない会話が行えることにより、現在の状況を受け止めてこれからを考えるための、時間的・心理的な余裕を持つことができます。


クオリティ・オブ・ライフ(QOL)という言葉をご存知でしょう。

一般的には生活の質・満足度・幸福感などを差しますが、今日のQOLの評価は医学的なアプローチから発展して、全体的に高齢化が進む中での人生や生活の満足度といった、老人学・老年学的アプローチによる研究も進んできています。

見逃してはならないのは、在宅での療養は患者本人のQOLを上げるだけでなく、本人の主観的な満足感・幸福感を目の当たりにすることによって世話をする家族のQOLをも向上させる、ある種の相乗効果があることです。


医師・介護関係者・家族らの間できちんと連携がとれている限り、在宅医療は患者のこころの平穏を保ち、本人および家族のクオリティ・オブ・ライフの向上にも大きく貢献するのです。


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